毎月発刊しているニューズレターの最新号を掲載しました。
こちらよりPDFで閲覧が可能です。修了生の体験談や施設の近況等、ぜひご一読ください。
体験談「RDデイケアセンターと私」 卒業生 薬物依存症 Fさん
気づけば自分がRDデイケアセンターと出会ってから、もう10年以上が経ちました。
薬物で逮捕され、職も失いこの先どうしてよいのか途方にくれていた中、何かに導かれるようにRDデイケアセンターにつながりました。はじめは半信半疑だったけれども、RDの「大丈夫、やり直せる!」というスローガンをみて、当時まさしく絶望して真っ暗な闇の中で、「やり直せるのかな?」とかすかな希望が生まれた気がします。当時、実家にいても居心地悪く、かといって他に何かする気にもなれなかったので、RDという正直に話せる居場所ができたことがとてもありがたかったです。RDでは回復に大切なことは正直さが何より大切と教わり、なるべく正直に分かち合いをするようにしました。
軽い気持ちで危険ドラッグに手を出していつしかはまっていたこと、当時仕事も生活も自分の人生を生きてる感覚がなかったこと、いつしか生活の中で薬物が数少ない楽しみになっていたこと、逮捕されてたくさんのものを失って悔しかったこと、家族のこと、セクシャリティーのこと。話してるうちに涙が止まらなくなることもありました。
RDではステップワークやミーティングだけでなく、自助グループや復職についても親身に相談に乗ってもらえたことも心の支えになりました。薬物で逮捕されたあと、初めてのことだらけだったので、何をするにも不安ばかりでした。例え解決に至らなくても、誰かに不安や悩みを聞いてもらえることがありがたいことなのだと身をもって感じました。
今はRDを卒業してからしばらく経ちますが、仕事にも復職することができています。振り返ると復職した当初は失ったものを取り返したい、他の人に追いつきたいと少し必死だったかもしれません。一方で薬物や逮捕、過去のことを誰かに聞かれないかとビクビクしたり、不安もありました。時間をかけて職場でも仲間ができたり、頼りにされていると実感できることが増えたりする中で少しずつ自信に変わってきたように思います。その経過の中ではNAやRDで得た経験が役に立ったと思うことも少なくなかったです。傷ついた経験もあとで自信になるんだと感じると、案外悪いことばかりではなかったなと思えます。
昨年は職場でも自分の薬物の体験を話す機会がありました。医療分野で働いているため、理解してくれる人もいると頭では理解しているつもりでも、いざ話すとなるととても緊張しました。でも話した後に聴いてくれていた人達が受け入れとても喜んでくれ、自分の中で何かまた一つ吹っ切れた気がしました。自分の中には過去の出来事を隠したい、触れられたくないと思う気持ちと、知って欲しい、理解して欲しいという気持ちと両方あったんだと気づきました。別れてしまったけどパートナーとの出会いも大きな変化になりました。過去のことを話した上で一緒にいてくれ、いろんな場所に遊びに行ったりする中で、笑顔でいること、自分らしくいることの大切さを教えてもらいました。
薬物で逮捕された時は、人生をリセットしたい、こんな経験はなかったことにしたいとずっと思ってました。でもいつからか、自分の人生も案外悪くないなと思えるようになっていることに驚きます。今は確かに自分の人生を生きてると思えるし、過去の自分も含めて誇らしくすら思えます。誰かの期待や評価を気にすることもだいぶ減って、自分の正直な気持ちを大切にしたいと思えます。これらは小さなことのようで、自分にとってはとても大きな変化です。もちろんいいことばかりではないけれど、過去のいろいろな経験で得たものが助けてくれるし、いい意味で諦められることも増えたのかもしれません。
今でもRDで過ごした日々は自分にとって特別な思い出です。たまにRDを訪ねると、通っていた頃のいろいろな記憶が蘇ってきて自然と涙が溢れ出そうになります。もしも当時の自分に何か声をかけられるとしたら、やはり、「大丈夫、やり直せる!」と伝えると思います。

